第3条 均等待遇

(均等待遇)
第3条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。


《行政通達  昭和22年9月13日基発17 昭和23年6月16日基収1365 昭和63年3月14日基発150 など 》

◆ 信条または社会的身分 ◆

 信条とは、特定の宗教的もしくは政治的信念をいい、社会的身分とは、生来の身分をいうこと。

☆信条とは特定の宗教団体の会員であるとか、特定の政党の党員であるとか、単に特定の宗教を信奉しているとか、特定の政党の政治方針を支持しているなどでも含まれます。また社会的身分とは生まれつきの身分や地位で、人種も該当します。でも、会社の職制上の地位(正社員やパートなど)はここでいう社会的身分とは異なります。(下記の「日本郵便逓送事件」を参照してね)☆

◆ その他の労働条件 ◆

 「その他の労働条件」には解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件も含む趣旨である。

☆職場における労働者の待遇に関する一切の条件をいいます。ただし、労働者の雇い入れ自体は、労働条件とはいえません。(下記の「三菱樹脂事件」を参照してね)☆


 ◇ 参考判例 ◇  

◇ 日本郵便逓送事件 大阪地裁判平14・5・22 ◇

 雇用期間3ヶ月の有期雇用契約を4年〜8年にわたり更新した労働者が、正社員との賃金格差が存在することの是正を求めた事件で、長期雇用労働者と短期雇用労働者では雇用形態が異なり、賃金制度も異なることを不合理とはいえない等として、請求を棄却。


◇ 三菱樹脂事件 最高裁判昭48・12・12 ◇

 企業者は経済活動の一環として契約締結の自由を有し、いかなる者をいかなる条件で雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定できる。また、企業者が労働者の採否決定に当たり、労働者の思想、信条を調査し、その者からこれに関する報告を求めることも違法でない。

 試用契約の性質について、就業規則の文言、実情、慣行によって判断すべきであるが、本件は、解約権留保付きの雇用契約であり、本採用の拒否は留保解約権の行使、すなわち解雇である。この場合の留保解約権の行使は通常の解雇の場合よりも広い範囲で解雇の自由が認められるとしつつ、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認される場合、すなわち、企業者が採用決定後の調査結果により、または、試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、又は知ることが期待できないような事実を知るにいたった場合に、その事実に基づきその者を引き続き雇用することが適当でないと判断することが相当であると認められる場合に行使できる。

 学生時代の政治活動及び団体役員経験を秘匿して採用された者対して試用期間満了直前に本採用拒否を通告したことについて、一定の事実の秘匿を理由とする解雇権の行使が許されるかどうかは、秘匿の事実の有無、程度、その入社後の行動、態度の予測、人物評価への影響、企業の採否決定に有する意義等を考慮する必要が有る等として、「通常の会社では入社試験の際に思想、信条に関する事項を申告させることは公序良俗に反して許されない。」として労働者を勝訴させた控訴審判決を破棄差戻ししたもの。

posted by 労組書記長社労士 at | TrackBack(0) | 第1章 総則 (1〜12条)
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